2018年10月17日

アルバータ大学の学部と専攻

By Saaya


アルバータ大学のキャンパスで誰かと知り合った時、名前の次に必ずと言っていいほど聞かれるのは、



What's your major? (何を専攻しているの?)



という質問です。

そこから、「どうしてその専攻にしたの?」や「その専攻すごく大変そ〜う」という風に色々な話題に発展させていけるので、初対面の相手には、名前の次にその人の専攻を聞く場合/聞かれる場合が多いです。




今回の記事は、アルバータ大学の学部や専攻など、学位のプログラムストラクチャーについて説明していきたいと思います!

アルバータ大学




Faculty and Departments - アルバータ大学の学部と学科



アルバータ大学には、教養学部(Faculty of Arts)、理学部(Faculty of Sciences)、工学部(Faculty of Engineering)などを始めとする18の学部があります。


私が在学している理学部には、生物学科や物理学科などの自然科学の他に、コンピューター・サイエンス学科などもあります。このブログのもうひとりの管理人であるTokoちゃんは、教養学部に在学していて、社会学科や心理学科など、文系学生の間で人気の高い学科が多くあるのもこの教養学部です。

ここでちょっとしたfun fact

アルバータ大学では、工学部に在学している学生たちのある名前で呼びます。なんだと思いますか?





答えは、

Engineers!!! 


この呼び方を初めて聞いたとき、
「なにそれ、かっこいい。でも、あれ。工学部だけど、まだ、『エンジニア』ではないよね?!」
「私達、理学部だけど、scientistって呼ばれてないよ!?
と、心の中で盛大に突っ込んだのを覚えています(笑)


工学部は、入学基準がとても高く、在学条件もとても厳しいことで知られている学部で、私の友達も何人か工学部に在学している子がいますが、みんなとても頭がいいです!


他に入学するのが難しい学部と聞かれ思い浮かぶのは、医学部や法学部などですよね。

この医学部や法学部ですが、アルバータ大学に限らず、カナダの大学では、これらの学部は、graduate schools(大学院)という位置づけなので、日本のように高校を卒業してそのまま医学部(または法学部)に入学するということはできません。

医学部(med school)や法学部(law school)へ入学するには、高いGPAが求められるので、med schoolやlaw schoolを本気で目指している学生はとりわけ勉強熱心な印象です。


ここで紹介した学部は、ごく一部なので、興味のある方は、こちらのリンクからどうぞ:



Major? Minor? Specialization? Honors? 

アルバータ大学の専攻と様々なプログラムストラクチャー



アルバータ大学には、全学部合わせて、計388の専攻があります。

そして、アルバータ大学などカナダの大学では、ただ専攻を選ぶだけでなく、なにをどのように学ぶのかを自分でカスタマイズすることができます。

このカスタマイズされた専攻(なにをどのように学ぶのか)のことをProgram(プログラム)と呼びます。

アルバータ大学におけるプログラムストラクチャーは、大きく分けて4つあります。

1. Major + Minor
2. Double Major
3. Specialization Program
4 .Honors Program


Major + Minor


一番スタンダードなのがMajor + Minorのプログラムストラクチャーです。このプログラムを選択した学生は、主専攻の他に副専攻を学びます。

主専攻(Major)として取れる科目は、その学生が在学している学部によって提供されているものに限ります。そして、副専攻(Minor)は、学部外の科目でもOKです。

例えば:

在学している学部:Faculty of Arts
主専攻:Economics (Faculty of Arts)
副専攻 : Mathematics (Faculty of Sciences)



Double Major


二つ目は、Double Major。直訳すると二重専攻になります。このプログラムは、その名の通り、2つの異なる科目を主専攻として学ぶものです。アルバータ大学では、Double Majorを選択する場合、主専攻として取る2つの科目は、どちらとも、在学する学部内のものに限ります。


日本国内だと、二重専攻を選択出来る大学はまだとても限られているみたいですが、国際基督教大学(ICU)など、この制度を導入している大学も少しずつ増えているみたいです。


Specialization と Honors



3つ目と4つ目は、まとめて説明します。

SpecializationやHonors Programは、主に、大学院やMedical Schoolなどへの進学を考えている学生向けのプログラムです。

これらのプログラムの場合、一つの主専攻のみとなり、Minorは取れません。Minorや2つ目のMajorがないかわりに、一つの分野を深く掘り下げていくプログラム内容となっています。

通常のMajorと異なる点として挙げられるのは、取らないといけないコースが予め指定されているという点です。通常のMajorやMinorの場合、いくつかの必須コースを取り終えれば、フレキシブルに好きなコースを選択できますが、SpecializationやHonorsの場合は、それが出来ません。

また、在学条件も通常のプログラムに比べて厳しく、Specializationの場合、GPAが2.7以上、Honorsの場合、GPA3.0〜3.3以上が在学の条件です。


Changing Major 

専攻やプログラムって途中で変えられるの?



答えは、ずばりYESです。


"In many cases, transfer from one degree program to another can be easily arranged to suit students' changing ambitions, needs, or academic qualifications.”

“変化する学生の目標、ニーズ、資格などに応えるべく、殆どの場合、学位のプログラムを変更することが可能です”




高校生の時に興味があると思った分野に大学に入ったあともずっと興味があるとも限りませんよね。
大学という新しい環境で色々な経験をしていくということは、新しい発見の毎日ですし、考え方や、将来の目標も日々変化していくものだと思います。


私も、大学に入学願書を提出した当時は、生物が大好きで、「Honorsって響きもカッコいい!」という理由で生物学系のHonorsプログラムを選択しました。(実は、Med Schoolに憧れていたりしたのもHonorsにした理由の一つだったりしました…)

ちょうど1年目後期に入った頃。大学という新しい環境において日々、刺激や発見があるなか、改めて、これから自分向かうべき方向や自分の将来について考えることが増えていきました。生物は、好きだけど、果たして自分は、どれだけの熱意を持ってそれを学んでいるだろう?大学院やMed Schoolの狭き門をくぐる為の努力がどれだけ出来るだろうか?そんなことを自問自答する中で、自分が「本当に好きなモノ」がわからなくなってしまいました。

転機となったのは、理系学生の1年目の必須科目である統計学のコースでした。相変わらず「好きなモノ」は見つからないままでしたが、この学問ならあらゆる分野に活かせるんじゃないだろうか?と感じたのがきっかけでした。まだ胸を張って「これが好きです!」と言えるものはないけど、いつかそれを見つけた時、統計学は、きっと自分の武器になる。そう思いました。

一度は、生物学と統計学をDouble majorとして専攻することも考えましたが、プログラムのアドバイザーの方からのアドバイスなども踏まえて、統計学と経済学をそれぞれMajorとminorとして専攻することに落ち着きました。

上でも触れたように、アルバータ大には、学部ごとにプログラムアドバイザーがいて、コース選択から専攻の変更など、親身になって相談に乗ってくださいます。長くなってしまいましたが、このように変化する学生の目標や進路に対応するように専攻がある程度、柔軟に変更出来るのもカナダの大学のいいところだなと思います。



まとめ



長くなってしまいましたが、アルバータ大学の学部や専攻の制度など、わかりやすく説明出来ていたらいいなと思います。もし、なにかわかりにくかった点や質問があれば、ご気軽にコメントしていってください!

それでは、今週も課題に中間試験勉強漬けですが、頑張ります!!



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5 件のコメント:

  1. ごり押しzozo2018年10月17日 20:17

    楽しく読ませてもらっています!
    いくつかネットの情報からではわからない点があるのでお聞きしたいのですが…
    1.皆さん車は持っていますか?それともカーシェアで対応する感じでしょうか?
    2.成績は絶対評価ですか、相対評価ですか?またAを取るのはどれくらい大変ですか?
    3.寒さについてですが、部屋の中が暖かいというのはわかります。そうは言っても何年も暮らすと鬱っぽくなるのではないかとか、‐30度の中バス停でいつ来るかわからないバスを待ったりするのか、とか心配になります。実生活を送るうえで寒さの問題というのはどれほど影響がありますか?
    4.東アジアからの留学生にとって居心地の良い街であり、大学ですか?それともアメリカのいくつかの地域のようにそれなりのストレスと緊張感を覚悟していくべきところですか?
    お時間のある時にご教示いだだけるとありがたいです。

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    1. コメントありがとうございます!順番に答えますね。

      1.留学生で車を持っているのは少数派だと思います。幸い、大学のあるエドモントンは、カナダの他の州よりも公共交通機関がしっかりとしていて、バスやLRTといったオプションがあるので、殆どの場所にはバスやLRTで行けます。また、アルバータ大の学生は、U-passという定期券(学費に含まれています)がもらえるので、それを使えばLRTもバスも乗り放題です。

      2.まだ100レベル/200レベルのコースしか取っていないので、300/400レベルに関しては、定かではないのですが、今までに取った数学系(関数や統計)のコースは、絶対評価でした。理系コースだと、有機化学や工学部などの難しいと言われるコースは、相対評価が多いように思います。文系の科目は、Economictは相対評価、その他は全て、絶対評価です。
      Aを取るのは、正直、コースによって難易度が異なるので一概には言えないですね。中間・期末試験以外にも課題の提出やラボのアサイメントなどがある科目は、かなりの勉強量になります。どれだけ「簡単」と言われるコースでも、予習・復習をしないと、授業についていけなるし、単位は取れても、Aを取るのは容易な事ではないので、日本の大学でよくあるラクタン?(楽に取れる単位)は無いように感じます。

      3.-30度なんて想像も出来ないし、心配になりますよね。私もそうでした。でも、寒いと言っても、ちゃんと防寒対策をしていれば、外を歩けないことはないですし、バスやLRTは、グーグルマップを使えば、いつ来るのかわかるので、そこまで不便に感じたことは、まだないですね〜。また、LRTの駅には、暖房が入った室内の待合室が完備されているので、寒い中で何分も待たされることはないです。「鬱っぽくならないか」というのは、まだエドモントン2年目の私たちが答えてもいいのか分からないのですが、去年の冬に、憂鬱な天気だなーと思ったことは、特に無かったです。もちろん外出の頻度は下がりますが、友達と寮の中で鍋パをしたり、小さい部屋の中で大人数でぎゅうぎゅうになりながら映画をみたり、楽しいことをみんなが提案して、みんなで一緒にやる、という感じだったので、冬休みもすごく楽しかったなーと、今でも思いますね!笑

      4.アルバータ大学に限らず、カナダは、留学生を多く受けれている大学が多いように思います。アルバータ大だと、中国や韓国といった東アジア以外にも東南アジア、中東アジアからの留学生も多く在学しているので、そういった意味では、日本人学生も馴染みやすく、居心地がいい環境だと思います。そして、「カナダ人は優しい」というのはよく言われていることで、例えばお店に行って、店員さんと話す時に英語が上手くでてこなかったりしても、カナダ人にとってそういうお客さんは珍しくないので、特に何も言わずに待ってくれたり、手伝ってくれたりすると思います。

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  2. ごり押しzozo2018年10月18日 18:19

    早速回答いただきありがとうございます。車の件と寒さの件は特に心配でした。
    他にもいくつか質問があるのですが…
    1.お二人のブログを見ると全般的にすごいポジティブです。他の方の留学ブログを見ると愚痴っぽい記事も多く特に1年目が辛かった様子がうかがえるのですが、お二人はすごい嫌な目に合うとか、もう帰りたいと思ったような出来事はありませんでしたか?英語が既にできるという点が大きいのかもしれませんが…
    2.自分はウェイ系が苦手で、みんなで一緒にワイワイとかパーティーとか友達と一緒に買い物とかもはや拷問に思えます。でも帰国子女でそういう陰キャラって見たことがありません。陰キャラでも留学って可能なのでしょうか?MBAやPhdのように大学院からだとそういうのは特に問題ないとは聞きましたが、学部からだとやっぱりノリの良さは必須なのでしょうか?
    3.COOPやフルタイム就職についてなのですが、お二人は卒業後もカナダで就職される予定でしょうか?学費の説明のところでUBCやトロントではなくアルバータを選んだと書かれていたのですが、バンクーバーやトロントの方が就職機会が多そうな気がします。いざCOOPとなったらそちらまで遠征されるのかやはりエドモントンで見つける感じになるのでしょうか?
    質問ばかりで申し訳ありません。

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  3. コメントありがとうございます。今回も1つずつ答えさせて頂きますね。
    1. おそらくもともと楽観的な性格というのもあるのですが、正直言って、辛くて帰りたいと思ったことは一度もないです。もちろん家族や友達に会いたいな〜と思うことはありますが。課題やテストは大変ですし、ルームメートといかに大変か愚痴を言いあったりもします笑 でも、それと帰りたいというのはまた違う辛さだと思うので、そう感じたことは無いです。それに、自分が学びたいことを学ばせてもらっているので、大変ですが、楽しい、充実した日々だなと思います。また、愚痴を書かないという点については、もちろんこのブログで、いかに大変かを書くこともできるのですが、それよりも他のことについて書きたいなと思います。それは、もちろん大変なこともあるけど、それ以上にかけがえのない経験ができる環境なので、むしろその側面を皆さんに知ってもらいたいと思うからです。

    2. 海外の学生は、日本の学生と同じく、全員がパーティーして、ノリが良い人ばかりではありません。私もウェイ系ではないですが、同じテンションで話せる友達がたくさんいます。なので、日本の大学に馴染める人は、こちらでも問題なく馴染めるんではないかと思うます。

    3. 就職については、まだ決まってないので何とも言えないのですが、就職機会とCOOPについてお話しさせて頂きます。まず日本企業の就職活動についてですが、やはりトロント大学やUBCは企業訪問が多いです。これにはもちろん、日本人学生の数が多大に比べて圧倒的に多いという点があります。おそらくこの形式の就職活動がしたい場合、アルバータ大生はUBCやトロント大で行われる企業説明会などに行く必要があります。飛行機代は、面接対象者は企業から支給されるのが一般的です。(説明会参加者は自費)その他の就職活動としては、日本で夏休みに就職試験を受ける方法、スカイプなどで面接を受ける方法、ボスキャリというボストンで行われる大規模のキャリアフォーラムでの面接などがあります。続いてはCOOPについて。アルバータ大学は、2学部(工学部とビシネス)でCOOPプログラムを提供しています。工学部のCOOPは、カナダで2番目を誇る規模を誇ります。なので、アルバータ大学内でCOOPを探すことは十分可能かと思います。Faculty of scienceにも、The Science Internship Program (SIP)というインターン制度があり、最近できたFaculty of Artsのインターン制度(AWE)も充実してきています。

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  4. ごり押しzozo2018年10月23日 19:20

    色々とありがとうございました。
    陰キャラでも生存可能とうかがって、少し希望が持てました。大変なことはあえてここでは書かない、という選択もありますよね。記事一つ一つが具体的で、真剣に留学を検討している人なら知りたい内容が多いのでとても助かっています。SIPは少し調べてみたら学校が求人を集めて提示するというよりも、自分で求人サイトから見つけてきて応募してください、という体なんですね…私は理学部に興味があるのですがそこが少し気になりました。引き続き記事を更新されるのを楽しみにしています!

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