2019年2月9日

自分の色を知る

By Saaya



「今年の抱負は、今まで以上に沢山考えること。
もっと自分を知る努力をする1年にしていきたい」



1月初め、Instagramに投稿した写真につけたキャプション。



中学、高校と一番好きだった科目は生物学。
ゆくゆくは医学系の道に進めたら素敵だよなぁ、、そんな密かな憧れを抱きながらアルバータ大学の理学部生物学科に入学したのが2017年9月。

それから1年とちょっと、今の専攻は、統計学と経済学。


自分なりに色々考え、お母さんにも相談して選んだこと。
だけど、本当にこれで良かったのかなぁなんてちょっぴり不安になることがあったり・・
色んなことを考慮して選んだけど、それは果たして
“好き”なことだったから選んだのか、、
“やりたいこと”だったから選んだのか、、
そんなことを自問自答していると、あることが頭に浮かんだ。



― 自分のことをあんまり知らない




そのことを認識した途端、押し寄せてきた焦燥感....




もっと自分を知る努力をしよう。






そんな漠然とした目標を立てた冬休み、


具体的に何から始めたらいいのか分からなかったから、その日の振り返りを記入する欄があって日記としても使えるスケジュール帳をAmazonでポチっと、、

またある日は、よく相談に乗ってもらっている人生の先輩かつ大好きな友達のSさんと電話をした。そうしたら、「読んでみて」と色んなブログ記事や本をお勧めしてもらえたり、、

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世の中は思っているより悪くないというか、うまく出来ているもので、こうやって能動的に動いていると、同時に偶然とは思えないほどいいタイミングでいい機会が巡ってくる。



私にとってそれは、学生として一番身近な存在である大学での講義だった。



選択で取れる単位がまだ少しあったから、高校で少しかじった程度だった心理学をもうちょっと勉強してみようという理由で選んだ社会心理学のコース。

そのコース一番最初の講義のテーマが、


“The Self in a Social World”
『社会における自己』


だった。




タイミング良すぎでは?!とウキウキしながら受けたその講義で一番印象に残ったのが、“Self-concept”という概念。

“Self-concept”、自己概念とは、一言でいうと「自らが抱く『自己』に関する知識や印象」。


自分は、どんな性格なのか、どんな能力があるのか、どんな身体的特徴を持っているのか、目標、役割、そんな自分自身のありとあらゆる側面に関する知識のことを指し、自己観察・内省(Introspection)、自伝的記憶(Autobiographical memories)、他者(の影響/との比較)、文化など多方面から形成されていくものなのだとか。


ただ、私たちのなかに作られていくこの「自己概念」、必ずしも完全とは言えないみたい。
というのも、それを形成していく自己観察や記憶の過程で既に色んなバイアスやエラーが生じていて、自分たちの中にある自己の情報は、私たちが思っているほど当てにならないというのがいくつかの研究でわかっていることらしい


"Yet sometimes we think we know, but our inside information is wrong" (Myers, Jordan, Smith, & Spencer, 2018)

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リーディングのアサイメントを終えたあと、この自己観察や自伝的記憶に生じるエラーについてもっと知りたいと思い、教科書に載っていたTimothy D. Wilsonという社会心理学者が書いた自己概念に関する研究批評を読んでみることに。



 自己観察する時、なぜ私たちは“間違い”を起こすのか―


私たちが内面に意識を向ける時、それは「観察」ではなく「解釈」になっていて、しかもそのことに私たちは気づいていないことが多い。これは、Naïve Realism (素朴実在論)と言われるもので、自分の眼に映るままの姿で世界が存在していて、そこに自分の解釈が加わっているという自覚がないこと。


もっと簡潔に言うならば、思考のプロセスよりも思考の結果の方に意識が向く傾向が多いにあるということ。自分の解釈に色付けされたものなのに、事実の観察として捉えてしまう。俗にいう思い込みってやつ。


だから、どれだけ自分は自分のことを分かっていると思っていても、それが正しい情報なのかは疑わしいよね‥というのが自己を研究する社会心理学者たちの見解の一つでもあるよう。


私の個人的な見解を付け加えるとすれば、たとえそれが不確かなものだったとしても、その思い込みが自分を豊かにしてくれるものであればいいんじゃないかなと思うし、「思い込みによって見えてないもうひとりの自分がいる」ということを心の片隅にとどめておけることが出来れば、「私にはこれは向いていない」と確信していることでも「いや、もしかしたらそれはただの思いこみで、実は向いていたりして‥」と自分自身が確信していることに疑問を投げかけ、新しいことに挑戦きっかけになり得ると思う。



Timothy D. Wilsonの著書の題名を借りると、“Strangers to Ourselves” ― 人はみんな自分自身が見知らぬ人で、思っているよりも自分のことを分かっていないのかもしれない。


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そんなことを実感することが最近あった。





1年ほど前にSさんが教えてくれたPantoneという会社が提供しているCOLORSTROLOGYという占星術、数占い、色彩理論を用いて導き出すその人の性格や個性と一緒にバースデーカラーを教えてくれるサービス。


そこに書いてあった


“Many of you have a strong calling to communicate to large audiences ... Sharing ideas with others, having fun and staying young at heart are some of the ways to harness your magical abilities that you have within”

という言葉を読んだ約1年前の私は、Sさんにこんなことを言っていた。




『沢山の人の前で話すことが合ってるとか
絶対ない
一番苦手』


それから1年経った今。


ふとこの時の会話を思い出した。そして自分を見てみた。


そこには、サークルを立ち上げ、ミーティングで自分の考えていることやアイディアなどをメンバー相手に話している自分がいて、

ブログにこうやって誰かに伝えたいと思うことを文字に起こして発信もしている。


そして何よりも、「人と繋がりを持つ」ということをとても楽しんでいる自分がいる。



一年前の自分が「絶対にない」と切り離していたことをしている今の自分を見て、
2年後、5年後、10年後、自分はどんな新しい自分を発見しているんだろう?と今までは「わからないから怖い」と思っていたことが「わからないからちょっと楽しみじゃん」に変わりつつある。




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